光学素子へのマスキング、その課題を解決する液体マスキング剤を開発しました。
複雑な形状の光学素子へのマスキングは、困難を極めます。マスキングテープは跡残りや貼り付けの手間が課題となり、従来の液体マスキング剤も、「剥がす際のバリやちぎれ」「精密な塗布の難しさ」「素材への跡残り」といった問題がありました。
このような課題を解決するため、非球面レンズや複雑な金属部品への塗装依頼をきっかけに、私たちは新たな液体マスキング剤を独自に開発しました。
他社では難しい複雑なマスキングも、当社の技術で対応可能です。
下の写真は、液体マスキング剤を凸面に塗布→塗装→マスキング剤剥離したものです。マスキング剤Aは、剥離後の見切りが悪く、バリが残る問題があります。一方、マスキング剤Bは、剥離時のキレは良好であるものの、精密塗布性能に劣り、レンズの面取り部分にまで侵入しているため、拡大すると見切り部分が凸凹になっています。これに対し、自社マスキング剤は、レンズ面取りの手前で安定して塗布されています。右上のレンズ欠け部分手前にもマスキング剤が侵入していないため、レンズ欠け部分にまでしっかりと塗装が施されていることが分かります。これにより、優れた見切りと精密な塗布を両立し、高精度なマスキングを実現します
↓拡大写真
優れた柔軟性と強度を兼ね備えた液体マスキング剤です。
乾燥後の液体マスキング剤は柔軟性があり、強度もあるので、複雑な形状の対象物に対しても、剥離時に途中で切れにくく、一気に剥がすことが可能です。これにより、作業効率が向上し、バリ残りなどの不具合も防ぎます。
塗装は小物・微細物を専門に対応しております。
塗布面が多いものなど印刷では困難な場合は、スプレー塗装で対応します。
マスキング治具、クリーニング方法に工夫を必要とします。
実績:微細ガラス部品、樹脂レンズ等
彫刻加工された溝部分への色入れ。精度が要求される場合はモニターに拡大して検査します。
塗料がはみ出した場合はふき取りを行いますが、照明条件によりはみ出した塗料が見えない場合もあるので注意が必要です。拭き取りには使用する溶剤やワイパー、拭き取り方法などノウハウが御座います。
実績:カメラ部品の化粧リング、光学部品の指標部分など。
光学素子への塗布で一番多い目的は遮光です。内面反射防止のためレンズやガラスの側面(コバ面)、プリズムの任意の面に和墨や黒塗料を塗布します。和墨、インク、GT-7関係など様々な塗料の実績がありますので、状況に応じた塗料のご提案が可能です。